航空豆知識「飛行機の重心位置計算」その8
当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
以前に「飛行機の重量計算」シリーズをお届けしましたが、ただ今「飛行機の重心位置計算」について飛行機の教官がためになる情報をシリーズでお届けしています。
飛行機の重心位置計算(その8)重心位置の飛行への影響
今回は「重心位置の飛行への影響」について説明します。
重心位置が前方に片寄った場合は、重心位置が許容範囲内にあれば、最大着陸重量であっても、フラップを着陸位置に下げた状態で、昇降舵を引くことによって、機首を着陸姿勢 まで引き起こすことができます。重心位置が許容範囲内にあれば、前脚や前脚の取り付け部、タイヤ及び前部の胴体構造に加わる着陸時の荷重を限界値内に収めることができます。また、重心位置が許容範囲内にあれば、最大離陸重量であっても、規定された離陸速度まで加速すれば、離陸の機首上げ操作ができます。 空力的には、機首の上げ下げ操作の舵角が大きくなるために操縦性は下がりますが、縦の静安定、すなわち元に戻ろうとする復元力は良くなります。
重心位置が後方に片寄った場合は、重心位置が許容範囲内にあれば、空力的には、機首の上げ下げ操作の舵角が小さくなるために操縦性は上がります。縦の静安定、すなわち元に 戻ろうとする復元力は悪くなりますので、後方限界はこの静安定を考慮して決定されます。重心位置が後方限界に近くても、主脚や主脚の取り付け部、タイヤの強度、及び地上走行における前輪での滑走方向の維持や旋回が安定して行うことができます。
「飛行機の重心位置の計算」に関しては以上となります。また、新たな豆知識にもご期待下さい。
飛行機免許、ヘリコプター免許にご興味のある方はアルファーアビエィションまでお気軽にお問い合わせください。