航空豆知識「飛行機の重心位置計算」その7| アルファーアビエィション

航空豆知識「飛行機の重心位置計算」その7

当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
以前に「飛行機の重量計算」シリーズをお届けしましたが、ただ今「飛行機の重心位置計算」について飛行機の教官がためになる情報をシリーズでお届けしています。

飛行機の重心位置計算(その7)重心位置の許容範囲
今回は「重心位置の許容範囲」について説明します。

飛行機を運用する場合に、重心位置が一つの点のみであると、搭載は難しくなり、実際には役に立たなくなります。しかし、実際の飛行機は、昇降舵、補助翼、トリムタブなどの 操縦装置を適切に操作することによって、釣り合いを保つことができますので、重心位置に一定の幅を持たせてあります。この幅のことを重心位置の許容範囲といい、計算による 方法や何度も試験飛行を重ねた上で、飛行機の製作者がその範囲を決め、飛行規程の中の運用限界の一つとして設定されています。

出発する前に搭乗する飛行機の機長は、この許容範囲内に重心がくるように、積載物等のバランスを検討しなければなりません。飛行機は空中を飛行するため、高度または積載物や燃料の搭載量など重量の変化もあって、風圧中心と重心位置を常に一致させることは難しくなります。そのために、飛行機自体の操縦性と安定性に基づいて、重心位置には移動しても良い許容範囲を設けることにより、その許容範囲内に入っていれば、風圧中心と重心位置がずれても安全な飛行ができるようになっています。

次回は「重心位置の飛行への影響」について説明します。お楽しみに。
飛行機免許、ヘリコプター免許にご興味のある方はアルファーアビエィションまでお気軽にお問い合わせください。

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