航空豆知識#176 「クラッチ」| アルファーアビエィション

航空豆知識#176 「クラッチ」

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。今回はヘリコプター操縦教官がヘリコプターの部品についてためになる情報をお届けします。

「クラッチ」

質問
R22のようなピストンエンジンのヘリコプターには、クラッチと呼ばれる部品が2つついています。このうちのひとつ、クラッチアクチュエーターの上と下はどうなっていて何につながっているでしょうか?

解答
クラッチアクチュエーターの下側は下部ベアリングにつながっており、下部ベアリングはエンジンの出力軸についています。上側は上部ベアリングにつながっており、上部ベアリングはクラッチシャフトについています。

説明
R22には、「フリーホイールクラッチ」と「クラッチアクチュエーター」がついています。

フリーホイールクラッチは、エンジンが停止した時等エンジン回転がローター回転を下回った時に、駆動系統がつながったままだと、低いエンジン回転が抵抗となってローター回転が低下することを避けるために取り付けられており、これによりエンジン停止時にオートローテーションで着陸することができます。似たような機能を持つもので、日常生活で使うものとして自転車があります。漕いでいるときはペダルで後輪を回し、下り坂ではペダルを止めても後輪は回り続けます。

クラッチアクチュエーターは、ピストンエンジン機のみに装備され、エンジン始動時にエンジンを駆動系統から切り離し、スターターがエンジンのみを回転させればよいようになっています。R22のクラッチアクチュエーターの下側はエンジンの出力軸に固定されているため下には動きません。クラッチスイッチをエンゲージにすると、クラッチアクチュエーターは上に伸び上部ベアリングを上に押し上げることによりクラッチシャフトを持ち上げます。このクラッチシャフトを持ち上げることにより、同じクラッチシャフトについているアッパーシーブが上に動きVベルトを張り、エンジンの出力が駆動系統に伝わります。

この中にクラッチがあります

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