航空豆知識#169 「航空機のコンパス」その1| アルファーアビエィション

航空豆知識#169 「航空機のコンパス」その1

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。今回はヘリコプター操縦教官が「航空機のコンパス」についてためになる情報をお届けします。

「北ってどの北?」
航空機が出発地から離陸して、目的地にたどり着く手段として、昔からある方法が磁気コンパスの使用です。
目的地までの方位を航空図上で測って、その値を操縦席にある磁気コンパス(方位磁針)に合わせて飛行することで目的地に向かいます。

ところがこの方法、オーソドックスで基本中の基本なのですが、面倒なことがいくつかあります。
まず、航空図上で測った目的地までの方位(北を基準とした方角)をそのまま磁気コンパスに合わせても、目的地に着けない(着けることもある)ということがあります。これは、地図上の北とコンパスの北が一致してないことに依ります。

地図上の北はおなじみ北極点ですが、磁気上の北は北極点から2000km程離れたカナダに位置します。
世の中のおおよそ磁石という磁石のN局はそっちを指してるので北極点から測った方位を合わせても目的地に行けません。

つまり基準点がそもそも違うのです。

北極点と磁石の北とのずれのことを「偏差」と呼んでます。
この量は地球上のどこにいるかで違うのですが、航空図には偏差量が記載されているので、地図上で測った後、偏差量を加減します。
面倒だなと思うかもしれませんが、パイロットにとっては当たり前のことです。

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