航空豆知識#161「燃料タンクの余積」| アルファーアビエィション

航空豆知識#161「燃料タンクの余積」

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。 今回は、ヘリコプターの教官がためになる情報をお届けします。

「燃料タンクの余積」 燃料タンクの写真をみて、何でキャップが一番上についていないのだろうかと疑問を感じる人はいませんか?

一番上についていれば一杯燃料が入りますよね。

また、飛行規程の燃料タンクの全容量と使用可能量をみて、何でこんなに差があるのだろうと思った人はいませんか?

長時間飛行をする時で天候に不安がある時は燃料を目一杯積んだほうが安心だから目一杯積みたいですよね。(あくまでも最大全備重量の範囲内での話ですが。) 
何でかな~と思ったときには、耐空性審査要領を確認してみましょう。

燃料タンク又は連結したガス抜きを有する燃料タンク群は、タンクの容積の2%以上の余積を有していなければならない。
燃料タンクの余積は回転翼航空機が正常の地上姿勢にある時、不用意に満たされるおそれのないものでなければならない。

燃料タンクは、気圧・温度による燃料の膨張等を考慮し、タンク容積の2%以上の余積を作っておかなければなりません。
(ここでは触れませんが、ベントによりタンク内の圧力とタンク外の圧力を同じにする必要もあります。)

そして、その余積は地上で給油されるときに満たされてはなりません。そのため、給油口はタンクの一番上ではなく、そこから少し下がった位置についており、タンク一杯に給油しようとしても給油口から燃料があふれることにより、余積が確保されます。

如何でしたか? アルファーアビエィションではこの他にも多くの豆知識を提供しています。 詳しくは航空豆知識のページをご覧ください。

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