航空豆知識「飛行場標点と標高について」
当校の飛行機とヘリの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
今回は飛行場の標点と標高についてヘリコプターの教官がためになる情報をお届けします。
「飛行場標点と標高について」
飛行場には標点というものがあります。その飛行場の標点は着陸帯の幾何学的重心となっています。
羽田空港の標点(ARP:airport reference point)は第1ターミナルの前あたりに設定されています。
成田空港も第1ターミナルのところにあります。
福島空港は滑走路の中心に設定されています。
調べてみると、滑走路の中心に標点があるところが多いです。標高が標点の高さを表すためなのかもしれません。
この標点から我々操縦士は無線を出すときに自分の位置を方向と距離で通報しています。
最近はGPSで座標が入力されていて自動的に方位と距離が出されますがその座標の位置を知っておかないと狂いが生じてしまいます。
次に飛行場標高ですが、飛行場の基準地点(ARP:airport reference point)の海面からの垂直距離と決められています。
日本で一番高い飛行場標高は松本空港の2154ft(657m)です。
操縦士はこの標高を把握して高度計を見ながら地上までの高さを把握し、着陸操作を行っています。
ここで高さという言葉が出てきたり、高度という言葉が出てきますが、操縦士はこの2つを使い分けています。
それは高さは対地高度で、高度は海面からの垂直距離(すなわち高度計の表示)になります。
ちなみに下妻ヘリポートの標点は滑走路の中心で、標高は64ftです。着陸帯にきちんと鋲が打ってあります。