航空豆知識#185 「航空情報」その2| アルファーアビエィション

航空豆知識#185 「航空情報」その2

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。今回は当校の飛行機操縦教官がお届けします。

「航空路誌(AIP)」

航空路誌(AIP)は国際民間航空条約第15付属書に基づき作成され、日本では福岡FIRが担当しており、日本における民間航空の運航に必要な諸施設、組織等に関する永続性をもつ情報が収録されています。

FIR(飛行情報区)とは、国際民間航空機関(ICAO)が航空交通業務を提供する各国の分担を決めた空域のことです。
このFIRとは、領空と公海上空を結んだ空域で、世界の空の航空交通の円滑で安全な流れを促進できるように、航空機の航行に必要な各種の情報の提供と捜索救難活動が行われる空域です。
いわゆる「領空」とは別のもので、そのためにFIRの名称には国名でなくその空域での航空交通管理センターが置かれている地名の名称が付けられています。

航空路誌の(AIP)の構成は、総則(GEN)、エンルート(ENR)及び飛行場(AD)の3部からなり、各部は種々の情報項目を含むセクションに適宜分かれています。
AIP全体では5分冊となり、第1冊目がGENとENRで、第2冊目以降はADとなっています。
「総則」には規則等が収録されていて、その内容は、国の規則及び要件、表及び記号、業務、飛行場・ヘリポートの利用及び航行援助に係る料金となっています。
航空路誌の変更等は、通常、航空路誌改訂版により行われますが、時間的余裕がないときはノータムにより行われます。

航空路誌のページのチェックリストは、航空路誌改訂版とともに28日間隔(エアラック周期)で発行されます。
エアラック周期は、国際的にあらかじめ決められた有効日(28日間隔)の少なくとも28日前に受取人に届くよう、少なくともその有効日の42日前にAIS機関により配布されます。インターネットでは有効日の42日前に公開されます。
有効日は、AIP GEN 3の中に5年分の予定日が以下の表のように表示されています。

次回は、航空路誌改訂版(AIP AMDT)について説明致します。

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