航空豆知識#174 「クラスター」
アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。今回は飛行機操縦教官が気象用語についてためになる情報をお届けします。
気象用語として使われる「クラスター」とは
新型コロナウイルス関連のニュースで、たびたび聞かれる「クラスター」という言葉は、実は気象用語でもあります。
「クラスター」という言葉は辞書には「同種のものの集まり。群れ。集団。」と書かれています。
新型コロナウイルスのニュースでよく使われている「クラスター」は、その言葉の意味からも「集団感染」を意味しています。
では、気象ではどのように使われるかと言うと、一般には独立して存在することが多い積乱雲(入道雲)が、集合して巨大な塊を形成することがあり、この塊のことを「クラウドクラスター(雲の集団)」と呼びます。
「クラウドクラスター」は様々な大きさや発達段階の対流により形成される雲で構成されて、大きなものでは水平に数100kmに達することもあります。
「クラウドクラスター」は、熱帯地方によく現れ、台風の多くは「クラウドクラスター」に伴う渦が強くなることにより発生します。
日本付近では、梅雨期に激しい集中豪雨をもたらす要因の一つになっています。