航空豆知識#165 「シリンダー」
アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。 今回は、「ピストン・エンジンのシリンダー」についてためになる情報をお届けします。
ロビンソンR22BETAⅡには、AVCOライカミングO-360J2Aという4サイクルのピストン・エンジンを搭載しています。
「O」は水平対向、「360」は総排気量(in³)、J2Aはエンジン型式番号です。
これは、R22のエンジンの心臓部であるシリンダーです。
毎分1281回のガソリンの燃焼に伴う高熱と毎分2562往復するピストンの摩擦に耐えてロビンソンR22の出力を発揮してくれる頼もしい奴です。
飛行中はコックピットの背後から力強くかつ心地よい振動と音を奏でてくれます。
シリンダ・ヘッド部には、空冷用のフィンがいくつもついています。
シリンダーの素材は、メッキ等を除いてほぼアルミニュウムです。
シリンダー1本で1479cc、これが4本で合計5916ccです。
大型バイクに乗っている某教官のマシンが2本で1250ccなので、ロビンソンR22のシリンダーはラスボス的な存在です。
数多くの訓練のお役目を終えたシリンダーなので汚れていますが、内側はこのようになっています。
奥の方に空いている上下2つの穴は、点火プラグの差し込み口です。
これだけシリンダーの容積が大きいと、点火後全ての燃料が燃焼するまでの時間差によってデトネーション(異常燃焼)が発生するので、挟み撃ちで点火してほぼ同時に燃焼するようになっています。
もし、1つが壊れた場合のフェイル・セイフの役割も果たしています。
左右に並んでいる丸いものが排気バルブ(左)と吸気バルブ(右)です。
排気バルブの方が若干大きいですね。コロナウィルス対策と同じで換気は大事です。
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