航空豆知識「飛行機の操縦桿」
当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
今回は、飛行機の教官がためになる情報をお届けします。
「飛行機と車のコントロールはなぜ同じにしないか?」
自動車のハンドルは、一般的には丸い形をしています。
これは、運転する際に左折や右折をしたり、カーブなど道路の状況やその進行方向に合わせて頻繁に動かすことが多いので、操作しやすいようにハンドルが丸くなっています。
飛行機では「ハンドル」とは言わず、「操縦桿」又は「操縦輪」と表現され、それぞれ棒状又は半円形になっています。
この理由は、飛行機は方向を変える際、操縦桿又は操縦輪を少し動かすだけで良いような設計になっていて、もし自動車のハンドルのように丸い形であれば、どの位回したかが判りづらくなり、飛行機の場合は危険になると言われているからです。
一般的には、操縦に機動性が求められるような場合には棒状で、急激な操縦を必要としない旅客機ではこれまで半円形のものが多く採用されていましたが、最近では旅客機でも棒状のものが採用されていることもあります。
また、この操縦桿には無線通信用マイクのスイッチや自動操縦の切換スイッチなどがついていて、これらは操縦桿(輪)を操作しながら指で操作できるようになっています。
アルファーアビエィションの訓練機であるダイヤモンドエアクラフト式DA40型機及びDA42型機には、訓練の時の操縦の機動性を考慮して棒状の「操縦桿」を採用しています。