航空豆知識「飛行機の重心位置計算」その5| アルファーアビエィション

航空豆知識「飛行機の重心位置計算」その5

当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
以前に「飛行機の重量計算」シリーズをお届けしましたが、ただ今「飛行機の重心位置計算」について飛行機の教官がためになる情報をシリーズでお届けしています。

飛行機の重心位置計算(その5) 重心位置の計算方法
今回は「重心位置の計算方法」について説明します。

「重心」とは、以前に述べましたように「重力の中心」ですが、言い換えると、その点を中心とするその点から前の部分と後ろの部分の「モーメント」が等しくなるような点であ って、その物全体の重量がこの一点に集中するものであると考えることができます。従いまして、「重心位置」は「モーメントの総量」を「総重量」で割ることにより、「基準線からの距離」として求めることができます。すなわち、「重心位置」を求める数式は、「重心位置=モーメントの総量÷総重量」となります。

そこで、空の状態の飛行機の重量及び重心位置の計測について計算をしてみます。
一般的な前輪式の小型飛行機の各車輪を台はかりに乗せて、各はかりに示される重さを記録し、基準線からの各車輪までの距離を確認して、それぞれの数値をかけ算で出すことにより各モーメントが出ますので、その総量を3つのはかりの合計、すなわち総重量で割ると重心位置が出ることになります。

これは、自重又は空虚重量としての重心位置ですので、飛行機の機長は飛行する前に、搭乗する予定の乗組員や乗客または貨物などの重量を「重量・重心位置計算表」で計算する 必要があります。

次回は「空力平均翼弦(MAC)と重心」について説明します。お楽しみに。
飛行機免許、ヘリコプター免許にご興味のある方はアルファーアビエィションまでお気軽にお問い合わせください。

関連記事