R66 VS ジェットレンジャー、その違いは?| アルファーアビエィション

R66 VS ジェットレンジャー、その違いは?

アルファーアビエィションは世界中で話題の最新鋭タービンヘリ、ロビンソンヘリコプターR66の販売を開始しています。
日本で最初のR66もアルファーアビエィションの機体ですが、このヘリを本日初めて操縦したパイロットの感想をお届けします。
B206ジェットレンジャーとの比較もあるのでぜひご覧ください。

「秋の青空が心地よい下妻ヘリポート。
エプロンでスタンバイする真新しいR66に近づいていくと緊張と興奮が高まります。
新車に初めて乗るとき、いやそれより遥かに大きい期待感でワクワクします。
ホバリングはしやすいのか、離陸時はどれくらいのパワーで上がっていくのか、上空の安定性はどうかなど、考えていると飛びたい気持ちを抑えられません。
いざR66に乗り込むとき、革のシートの光沢や新機の香り、機内の綺麗さに感動し、操縦席に座ると計器板や操縦システムの整然とした機能美に感心し、さらに気持ちが高揚します。
B206だと昔から飛んでいるが故に、操縦席に座ったときに、古い車のダッシュボードを見ているような正直寂しい印象を持ってしまいます。外見も古い機体だと、エンジンやトランスミッション、あちこちが大丈夫か心配になります。

R66の飛行前点検を進めていき、いよいよエンジン始動です。
コレクティブレバーの先端にある小さなエンジンスタートボタンを押すと、チッチッチッ‥‥と、タービンエンジン独特の音がして回転が上がっていきます。
スタートボタンはすぐに離してかまいません。計器を見ながら回転数が15%に達したときに燃料ノズルを押し込むと燃焼が始まります。
ノズルをスッと数センチ押し込むと、間髪を入れずロールスロイスのRR300タービンエンジンが、驚くほどスムースに、小気味よい低音の乾いたサウンドをポウッと奏でエンジンがスタートします。想像以上に簡単に始動できたので思わず感嘆の声が出てしまいました。
これがB206だと両手を使って、スタートボタンを押し続けてスロットルを回して始動しますが、R66の始動は他のどんなタービンヘリよりやさしく、安心してエンジンをかけられます。

回転が上がるとともに、タービンエンジン特有のキーンという金属音が増していきます。
航空機好き、機械好きなら誰もがしびれる、鳥肌が立つような始動音を聞かせてくれます。
最新のエンジンだけあり、まったく振動がない心地良いエンジン音から、ロールスロイスの信頼性を十分に感じることができます。

始動試運転が終わると、さあ離陸です。
初めての離陸なのでコレクティブはあまり上げず、まだかなり余裕を残したパワーで上昇しましたが、スムースにかつグングンと機体を持ち上げてくれます。
風がまったく吹いていないのかと思うほど機体は安定していて、それが上空で巡航状態に移っても続きます。
サイクリック、コレクティブ、ペダル、どれもほとんど動かさず、何もしなくてもR66は風を切って静かに進んでいくので、大型機を操縦している間隔になります。
空気抵抗を考えた最新の機体ならではのR66の安定性が、設計のかなり古いB206を上回るのは当然でしょう。
ロールスロイスの静かで上品な音と、振動のないエンジンもはるかにR66に分があります。

さらに上昇してみました。
コレクティブをほんの少し上げるだけで苦もなく上昇していき、楽です。
次に急旋回。45度バンクまで傾けても、パワーがあるので綺麗に回り込んでくれます。
感動ものの操縦のしやすさです。
速度を上げてもすこぶる安定しているので、長い時間でも疲れることなく飛行できるでしょう。
ガーミンのGPS搭載航空用ナビゲーションシステムのお陰で、安心して楽にフライトできます。
B206では飛行中に独特の振動を常に感じて疲れますが、振動のないR66はこんなにも楽なのかと驚いた初飛行でした。

R66の良さを堪能して下妻へリポートに向けて降下しました。
まったく機体がぶれずにスムースに高度を下げていくとき、ロビンソン社が今では世界一の販売数を誇ることにまた納得しました。
私なりに違いを表現すると、B206は両手両足を常に動かし続けてしっかり操縦しないと飛んでくれませんが、R66は自分の意志を操縦桿に少し入力すればヘリの力で飛んでいってくれる、と感じました。

最後にホバリングをしたときに、操縦装置に添える手足にあまり力を入れない方が自然と止まってくれることが分かり、またうれしくなりました。
接地したらエンジン停止の作業を手順通り行いますが、始動も停止も特に難しいことはなく、これまでのタービン機より明らかに扱いやすくなっています。
タービン機でありながらピストン機並みの扱いやすさを持つことも、すでに高い評価を受けている理由の一つだと思います。
ベストセラー機のR22とR44、今度のR66も間違いなく世界中で売れていくヘリコプターであることを十分に感じた初フライトでした。」

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