パイロットが飛行前に準備するもの| アルファーアビエィション

パイロットが飛行前に準備するもの

アルファーアビエィションのベテラン飛行教官が、訓練生でないと聞けない貴重な情報をお教えします。 しっかり学んでください。

「飛行機、ヘリコプターのパイロットが飛ぶ前に準備するもの」
航空法では、航空機に備え付ける書類として、「航空機登録証明書」、「耐空証明書」、「搭載用航空日誌」、「運用限界等指定書」、「飛行規程」、「飛行の区間、飛行の方式その他飛行の特性に応じて適切な航空図」が挙げられています。
パイロットは、これらの書類が有効かどうかを確認して搭載することが義務になっているので、飛行前にその都度確認しなければいけません。航空機登録証明書や耐空証明書等は、その使用する機体固有のものであり、国土交通大臣又は地方航空局長の発行であれはその有効性はすぐに判ります。また、耐空証明の有効期限も書類を見ればすぐに確認できます。搭載用航空日誌もその機体のものかどうかはすぐに判ります。

では、「飛行の区間、飛行の方式その他飛行の特性に応じて適切な航空図」とはどのような「航空図」でしょうか。VFR(有視界飛行方式)の飛行であれば、市販されている「区分航空図」の50万分の1や25万分の1の航空図が挙げられるかもしれません。しかし、これらの航空図の欄外には、「捕捉資料及び最新情報については適切なノータムと飛行情報出版物を参照すること。本図は航空参考図であり、飛行時にはパイロットの責任において使用すること。」という記載があります。すなわち、最新の航空図を使用することが望ましいのですが、航空情報の内容が自分の使用する航空図に反映されていることが大事であるということです。例えば、VOR局やNDB局が廃止されたり設置位置が変更されたら、地図上にその変更点を記入する必要があります。
また、パイロットが携帯しなければならないものとして、「技能証明書」と「航空身体検査証明書」があります。航空身体検査証明書は、現に有効なものでなくてはならないので有効期限の確認が必要です。この航空身体検査証明書に、「常用眼鏡使用及び同予備眼鏡携帯」と記載されている場合は、使用眼鏡と予備眼鏡を準備する必要があります。ライセンス取得前の訓練生であれば、「操縦練習許可書」の携帯が必要ですが、この許可書にも有効期限があるのでそれを確認します。
他には、これからの季節は気温が上がる日が多くなるので、汗対策としての手袋及びタオル、熱中症対策の飲料水、紫外線対策のサングラスなどの準備が必要です。航法を行う場合は空中航法用具が、夜間飛行であれば懐中電灯が必要です。また、飛行中に天気や航空情報の収集などを行うために筆記用具とメモ用紙は必需品です。このように飛行の目的や状況により準備すべきものが変わってきますが、操縦席のスペースを考えると不必要なものは持ち込むべきではありません。

いかがでしたか。アルファーアビエィションで飛行機やヘリコプターの操縦訓練を受ける訓練生は、実践的な知識を日々積み重ねてパイロットライセンスを手にします。自家用操縦士、事業用操縦士、多発限定、計器飛行証明、教育証明とフルライセンスを取得しています。

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