航空豆知識#210 航空交通管制 Part.2
アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。今回は当校のヘリコプター操縦教官がお届けします。
「航空交通管制 Part.2」
航空交通管制についての続きです。
日本の空は色々な空域に分かれています。
1. 航空交通管制区
2. 洋上管制区
3. 非管制区
4. 進入管制区
5. 航空交通管制圏
6. 特別管制空域
7. 航空交通情報圏
航空交通管制区についてお話しします。
航空法上では、地表又は水面から200メートル以上の高さの空域であって、航空交通の安全を確保するために国土交通大臣が告示で指定するもの
上限は無く、下限の高さが図のように設定されています。
例えば管制圏の上空は当該管制圏の上限高度(一般的な飛行場では3000フイートで自衛隊等のジェット戦闘機等の飛行場は6000フィート)です。
また、計器飛行による進入方式または出発方式が設定されている飛行場の標点から半径36キロ(20マイル)の円内の地表または水上から200メートル(700フィート)。
更に、進入管制区が指定されている飛行場の標点から半径72キロ(40マイル)の円内の地表または水面から300メートル(1000フィート)。
上記以外の区域は地表または水面から600メートル(1500フィート)の非管制区の空域を除いた空域になります。
名前の通り航空交通管制区ですので、管制業務が行われる空域です。
計器飛行方式(IFR)有視界飛行方式(VFR)問わず管制業務が行われます。
次に、進入管制区についてお話しします。
管制区の中でも計器飛行方式による出発機及び到着機が多い空域に設定され、ターミナル・レーダー管制業務が行われています。
例えば東京国際空港(羽田空港)は旅客機が頻繁に離発着を行っており、出発機は「東京ディパーチャ」、到着機は「東京アプローチ」という名称で進入管制業務が行われ、レーダー監視業務、レーダー誘導業務等が行われています。
*水色の線で囲ったエリアが東京進入管制区です。
成田空港も一元的に羽田で管制するために広い空域になっています。
航空法では10000フィート以下では速度制限があり、飛行速度が250ノット(時速約460km)以下に制限されてます。
旅客機に搭乗中にシートベルト着用サインも概ねこの空域に入るタイミングです。