航空豆知識#203 民間訓練試験空域の使用法| アルファーアビエィション

航空豆知識#203 民間訓練試験空域の使用法

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。今回は当校の飛行機操縦教官がお届けします。

「民間訓練試験空域の使用法」

パイロットの訓練には様々な項目がありますが、失速に近づくとどのような兆候が表れるのか、また失速した場合にはどのように回復させるのかを訓練するものがあり、これらの訓練を一般に失速訓練と呼ばれておりライセンス取得には必須の訓練となっています。
このような訓練をする場合には、民間訓練試験空域を使用して行うことになります。

民間訓練試験空域を訓練などで使用する場合には航空交通管理センター(ATMセンター)に訓練試験等計画を提出し、同空域の使用についての承認を受けなければなりません。
計画の提出はオンライン、FAX、電話で行えますが、実地試験などの一部の飛行を除き訓練の使用については先着順の受付となります。

関東近郊の訓練エリアは多数ありますが使用頻度が高く、早くから予約しないと空いている訓練エリアがないため訓練が実施できなかったり、訓練エリアの空き状況に応じて自分の訓練時間を変更しなければなりません。

・黄枠が福島空港の情報圏。青枠が民間訓練試験空域。 福島空港の近傍には、TH11、TH13.1、TH13.2などの民間訓練試験空域があります。
これらは福島空港から距離にして17~19NM(約31~35km)と近く10~15分程度で到着します。
また使用頻度は比較的少なく競合することも少ないため訓練時間を自分の都合に合わせて予約できます。

なお、訓練で使用する場合には予約制で他の訓練機は使用できませんが、訓練空域を通過するだけの航空機は予約の必要がありません。
このため訓練で使用する際は予約するだけでなく実際に訓練空域に入った時と出たときに当該訓練空域を管轄する機関に無線で通報し、使用中はその周波数を常時聴取しなければなりません。
また通過するだけの航空機も事前にオンライン端末等で訓練空域の使用状況を確認するだけでなく、訓練空域を通過する際に無線で使用状況等を確認し、安全を確保することが求められています。

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