航空豆知識#202 「精密高度計とは」
アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。今回は当校の飛行機操縦教官がお届けします。
「精密高度計」とは
航空法において、計器飛行を行う場合には、航行の安全を確保するための必要な装置として、「精密高度計」が含まれていますが、確かに、外部の目標物が視認できないような状況下では、「高度計」は必要な計器であると言えます。
通常、「高度計」は、その航空機の海面上の気圧を基準とした海面からの飛行高度を指示する「気圧高度計」を示しますが、一方、電波を利用して地面からの高さを指示する「絶対高度計」があります。「絶対高度計」は、航空機が着陸の際に電波高度計を自動着陸装置と組み合わせて、低高度指示用として使われることが多く、一般的な小型航空機では「気圧高度計」のみが装備されています。
そして、「気圧高度計」には「普通高度計」と「精密高度計」の2 種類があります。「普通高度計」は、指針が単針になっていて、最高指示範囲まで指示するのに指針が目盛板上を1 回転または2 回転して、目盛の間隔も比較的大きくなっていて、構造が簡単であるために誤差が大きく、滑空機の一部に使用されているだけで、小型航空機のほとんどには、「精密高度計」が装備されています。
「精密高度計」の定義としては、
1.「普通高度計」ではないもの
2.地上気圧の変動に対する手動補正装置、いわゆるQNH セットを備え、2針またはそれ以上の指針や補助的な多重目盛または同様な機構を備えたもので、50 フィート以下の目盛間隔を付されたものをいう
となっています。