航空豆知識#193 「R22のスロットル」| アルファーアビエィション

航空豆知識#193 「R22のスロットル」

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。今回は当校のヘリ操縦教官がお届けします。

「ロビンソンR22のスロットル」
R22に初めて乗った時のことです。
垂直離陸の時、コレクティブレバーをゆっくりと上げていくと、スロットルがじわじわと動くじゃありませんか。

・シートの間にコレクティブレバーがあります。 ・コレクティブレバーの先端のスポンジ部分がスロットルです。 タービンエンジンしか乗ったことのない私は、「スロットルが動く。」と聞いていたのですが、左手掌の中でころころと動くスロットルに驚きを感じました。
タービンエンジンでは、通常エンジン回転を調整するガバナーが作動してもスロットルは動きません。
常にフルオープン。

R22では、初期の機体ではガバナーが装備されておらず、コレクティブの操作に応じて自分で(手動で)スロットルをコントロールする必要がありました。
そこで装備されたのが自動でエンジン回転をコントロールするガバナーです。

・コレクティブレバーの先端に、ガバナーの小さいスイッチがあります。 現在のR22では、エンジンの回転数を検知してモーターが自動でエンジン回転をコントロールしてくれます。
タービンエンジンと違い、ガバナーが作動するとスロットルも微妙に動きます。
最初は違和感を感じましたが、慣れてくると、「ああ、ちゃんとガバナーが作動しているね。」と安心するようになりました。
ガバナーのスイッチは、コレクティブの先端に付いていて、エンジン始動前に必ずONを確認します。
もしガバナーが故障した場合には、ガバナーOFFで操縦します。
ヘリコプターにもエンジンや大きさの違いによっていろいろな違いがあることを感じた飛行でした。

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