羽山教官からのアドバイス
「教官としての信条」
「成功体験を活かす」
訓練飛行では誤った操作、誤った判断をすれば教官がそれを正します。安全の範囲内であれば失敗するまでやらせることもあります。フライトで失敗したことは記憶に残りやすく、また何故失敗したのかを反省し次回のフライトの糧にしていくものです。反面、成功体験はなかなかそういきません。なぜうまくいったのか、どうして上手にできたのかをより具体的に考察、研究しないと上達スピードは鈍いものとなってしまいます。ミスを指摘するだけのデブリーフィングではなく、出来たことを空中でタイムリーに褒めて、どうして良い結果がでたのかをもう一度地上で教えることが教官にとって必要だと思います。このような成功体験の積み重ねが訓練生のモチベーションを維持向上させるものと考えています。
「訓練生を安全に地上に届ける」
旅客機で移動するということがあまりにも身近な世の中になったため、本来ヒトは地上で生活する生き物であることを忘れてしまったかのように思います。ヒトが空を飛ぶということは本来危険なものです。操縦訓練においても“絶対なる安全を担保した上で”いかに効果的に効率よく教育するかに教官としての技量が問われるのだと考えています。訓練生が安心して操縦訓練を行えるよう私たち教官が安全をサポートいたします。
「学生への思い入れ、教官としての喜び」
先輩後輩を問わず全ての教官に共通していることとは思いますが、訓練生が実地試験に合格した際の笑顔を見ることが喜びではないでしょうか。順調に上達していった訓練生よりも苦労して巣立った訓練生の方が印象に残りやすいですね。ATCで昔の訓練生の声を聴くと元気に飛んでいるなあと感慨深いものがあります。また巣立った卒業生の活躍を聞くと本当に嬉しく思います。
「ダイヤモンドエアクラフトで訓練する魅力」
比較的グラマラスな小型機が多い中で、ダイヤモンドエアクラフトDA40及びDA42はキュートでエレガントな機体デザインだと思います。“観て美しいものはそれだけで正義”だと私は思います。美しい機体は見ているだけでワクワクします。もちろん飛行機ですから機能美は重要ですが、芸術的にも美しい機体を操縦できることが最大の魅力です。また、単発のDA40と双発のDA42はコクピットデザインが同一なため機種移行がしやすいという利点がそれに加わります。そのコクピットは旅客機と同様のグラスコクピットです。訓練機としての操縦特性も申し分ありません。訓練では使用しませんがオートパイロットだって付いています。そんな最新鋭の機体で訓練できるのは至上の喜びです。
「訓練中の安全対策」
“愚直なまでに基本に忠実であれ”です。
人間慣れてくると基本を疎かにして応用操作に走る傾向があります。これぐらいいいだろう、これぐらいだいじょうぶだろう、は禁物です。操縦訓練中は愚直なまでに基本操作を繰り返し実施させます。普遍的な操縦技術の一つとして機種が変わっても使えるように完全に定着するまで教えます。
そして、“もう一人の私を自分の後ろに置く”が安全対策のもう一つの柱です。ポリシーとも重なりますが、操縦訓練をするうえで絶対にあってはならないのが教育事故です。教育に熱中するあまり教官自身が発生している不安全要素に気付かず危険な状態に陥ってしまうことです。自分の後ろに冷静で客観性をもったもう一人の自分を置いて常に自分自身をリチェックすることで安全を保ちます。
「アルファーアビエィションで訓練できるメリット」
関東地方からほど近く、自家用、事業用、計器、多発まで一貫して福島空港で訓練できる環境がそろっています。また訓練空域にも近く、競合もほとんどないため自分の望む日・時間帯で訓練できることも大きなメリットです。近年のパイロット需要増のため訓練空域の混雑は年々激しさを増しているため重要なポイントの一つと言えると思います。最新の機体、最高の環境条件、優秀な教官陣の三拍子そろったアルファーアビエィションであなたの夢をかなえましょう。
「これから飛行機免許取得を目指す訓練生へのアドバイス」
“雲上快晴”
地上では雨などで悪天候でも離陸上昇して雲海を抜けるとそこには太陽の光が降り注ぐ晴天域が広がります。そんな素晴らしい経験ができるのはパイロットの醍醐味です。また澄んだ空気の日に空から見下ろす東京の夜景は本当に素敵で何度見ても心を動かされます。訓練中は楽しいことよりも辛く厳しいことの方が多いかもしれません。そのような時は空を見上げ、あの雲海の上には輝く太陽や素敵な星空があると思って頑張ってほしいと思います。