航空豆知識 R66シリーズその10| アルファーアビエィション

航空豆知識 R66シリーズその10

当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。今回は、「R66シリーズ」についてヘリコプターの教官がためになる情報をお届けします。

R66シリーズ(その10)空調などの装置

ロビンソン式R66型のエンジン

防氷装置、キャビンヒーター等

R66のエンジンには防氷装置が取り付けてあります。高温のコンプレッサーのエアーを取り出し、コンプレッサー前方のフロントサポートに導き、暖かい空気を前方から取り入れ着氷を防止しています。4℃以下で視認可能な湿気がある場合は、アンチアイスをONにしなければなりません。 アンチアイスを使用すると燃焼空気が減り、N2回転が落ちようとするので燃料を増加するためMGTが上昇します。

コンプレッサーの高温の空気は、キャビンヒーターにも使用されています。この圧縮された高温の空気は、約260度になるため、マフラー部で外気と混合させ、適温にしてから前方操縦席の足下から暖気をキャビン内に導いています。

この2つのコンプレッサー空気の取り出しによりどのくらい性能が低下するかというと、ホバリング時にアンチアイスONで性能表10℃、キャビンヒーターONで20℃上昇分の低下があります。その他上昇性能としてはアンチアイスONで、300ft/m、キャビンヒーターフルONで、600ft/mの上昇率の低下が起きます。離着陸時には可能な限りOFFにしています。

この他、オプションでエアコンが装備されています。エアコンのコンプレッサーがギアボックスにマウントされ、テールロータードライブシャフトによりベルト駆動され、エンジン前下方に取り付けられた2つのファンによりキャビン内が冷やされます。エアコンの空気は、コンプレッサーから抜き取っていないので、エンジン出力の低下が起きません。従って、エンジン始動してジェネレーターONにしたらすぐに使用することが出来、夏の暑い日のエンジン始動、ホバリングもとても快適に行うことが出来ます。当然のごとく飛行中もとても快適に飛行することが出来ます。

次回は「オーディオ装置」について説明します。お楽しみに。 飛行機免許、ヘリコプター免許にご興味のある方はアルファーアビエィションまでお気軽にお問い合わせください。

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