#8 「ヘリコプターの仕組み:テール・ローター」(2009/05/11)| アルファーアビエィション

#8 「ヘリコプターの仕組み:テール・ローター」(2009/05/11)

アルファーアビエィションが今回お届けする、ミニレポートは、「ヘリコプターの仕組み:テール・ローター」です。

「反トルク」

ヘリコプターはローターを回転させることによって、揚力を生み出し、浮くことができます。このときに、作用反作用の法則によって、ある力が働きます。それが「反トルク」と呼ばれるものです。機体がローターを回転させることの反作用として、ローターが機体を逆方向に回転させようとする力が生じるのです。

この反トルクが生じているだけのままだと、機体がくるくると回ってしまい、人が乗るのは難しくなってしまいます。

それでは、どのようにして、通常のヘリコプターは、反トルクを打ち消して、機体を一定方向に保っているのでしょうか。

「テール・ローター」

ヘリコプターが、反トルクを打ち消すための方法として使用しているものには、テール・ローター、ノーター、ダクテッドファンなどがあります。

現在、よく使われているのが、尾部にあるローター(テールローター)によって、横向きの力を発生させ、その力で反トルクを打ち消す方法です。

エンジンによって送風ファンを駆動させて、外気を取り込み、後部へと伸びる尾部へ風を送り、尾部にある途中の片側側面と末端部の反対側面に開口部から、送風された空気を噴出させるのが、「ノーター」と呼ばれる仕組みです。No tail rotorを略して、NOTARです。

フラインスの会社アエロスパシアルが特許として保有していたフェネストロン (商標)と呼ばれているものが、ダクテッドファンです。ヘリコプターのテール・ローターを、垂直尾翼に内蔵したものです。

「テール・ローターがないヘリコプター」

テール・ローターがないヘリコプターも世の中には存在します。それを可能にしているのが、二重反転ヘリコプターと呼ばれるものです。2組のローターを同軸に配置して、各組をお互い逆方向に回転させることによって、反トルクを打ち消すものです。ロシアのヘリコプター「カモフ」や米国の「カマン」等が二重反転ヘリコプターの代表的なものです。

「ヘリコプターに乗るときの注意点」

テール・ローターは、メイン・ローターと違い、比較的低い位置にある場合が多くなっています。テール・ローターは、メイン・ローターと同様に高速で回転していますので、見えづらく、接触してしまうと非常に危険です。乗降時には、ヘリコプターに前から近づくのが安全です。尾部の下をくぐるのは、とても危険な行為なのです。

ヘリコプターには、様々な工夫がされています。ヘリコプターの仕組み、構造、特性を知ることで、楽しく、安全な飛行が可能になるのです。

(おわり)

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