#9 「ロシアの航空事情」(2009/05/29)
アルファーアビエィションが今回お届けする、ミニレポートは、「ロシアの航空事情」です。
「ロシアという国」
人口は、日本とそれほど変わらない約1億4千万人ほどですが、面積は、約1707万平方キロメートルと非常に大きな国です。
ロシアというと昔は社会主義国で~というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、今はだいぶ違ってきています。
「ロシア経済」
ロシアは、1991年にソビエト連邦が崩壊してから、社会主義から資本主義経済へと変わりました。実質経済成長率(GDP成長率)をみると、1999年以降は年率約5パーセント前後での推移が続き、特に2006年以降は急激な原油価格高騰の恩恵を受け、6.7%(2006年度)、8.1%(2007年度)、5.6%(2008年度)と成長率は加速していました。
2009年度は、世界的な景気後退でマイナス成長に陥る見通しですが、現在のロシアは、私たちが持っているソ連時代のイメージとは異なり、街にはモノや新しい建物が並び、活気に満ちている国となっています。
アメリカの経済誌フォーブス(2008年)の発表によると、世界の億万長者が住む都市トップテンの1位は、モスクワ(ロシア)となっている(平均59億ドル、74人)ことなどからもロシアの好調ぶりが伺えます。モスクワで、2009年5月に開催された「ヘリロシア2009」では、米国のロビンソンヘリコプターなどが展示されるなど、ロシアでもヘリコプターを所有する人が増えているようです。
「ロシアの航空会社アエロフロート」
ロシアの国営航空会社は、アエロフロートで、現在はエアバスA330を使用しての毎日成田空港とモスクワのシェレメーチエヴォ国際空港間を運航しています。旧ソ連時代のアエロフロートは、使用機材のほぼ全てがツポレフ、イリューシン、アントノフ、ヤコヴレフなどのソ連内で製造されたものでしたが、今は欧米の機材を使用しています。
ロシアの航空会社で心配と思われる方もいるかもしれませんが、ご心配なく、私たちは、先日、アエロフロートを利用してモスクワへ移動しましたが、機材、サービスともに満足のいくものでした。その他にも、ロシアには多くのエアラインが存在します。
「ロシアでのヘリコプター製造」
ロシアは、ソ連時代からヘリコプターなど航空機の製造を国が主体となり行ってきており、そのヘリは、多くの国で使用されています。例えば、カモフというヘリコプターは、韓国、中国、南米の軍事用ヘリとして活躍しています。現在は、カモフなどのヘリコプター製造者は、株式会社化され、販売を行うロシアヘリコプターの下に、カモフ、ミル、カザン、クメルタールなどの工場があり、設計を行う設計局は、別組織となっています。
「寒いところでも運航可能なヘリコプター」
シベリア地方は、氷点下になる季節もありますが、-25℃までであれば、例えばロビンソンヘリコプターは、運航可能とのことで、シベリア地方に住んでいる方もヘリコプターを利用しているとのことです。
ロシアはとても大きくそして可能性を秘めた国です。ロシアの航空事情について、引き続き注目していきたいと思います。
(おわり)
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