航空豆知識「台風」
当校の飛行機とヘリの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
今回は台風について飛行機の教官がためになる情報をお届けします。
「台風」について
本年7月4日にマリアナ諸島で発生した「台風8号」は、フィリピンの東の海上を発達しながら北上して、2日後の6日には「大型で非常に強い台風」となりました。
8日朝には、中心気圧が935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速が秒速50mの状態を維持したまま、宮古島から80kmまで接近し、沖縄本島地方を含む南西諸島で大きな被害をもたらした後、進路を東寄りに変えて鹿児島県に上陸しました。
「台風」とは、東経180度以西の北太平洋及び南シナ海の熱帯や低緯度地方で発生する熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が秒速17.2m以上のものをいいます。
秒速17.2m以下のものは、単に熱帯低気圧と呼ばれます。
台風は巨大な空気の渦巻きであって、上空の風(一般流)に流されて進みます。
進路の右側は左側に比べ風が強く吹くことから「危険半円」と呼ばれ、注意が必要となります。
また、風が特に強い台風を「風台風」、雨が特に多い台風を「雨台風」といいます。
今回の台風8号では、「大型で非常に強い台風」と表現されていますが、この「大型」と「非常に強い」という表現方法について説明します。
まず、大きさについての分類は、風速として秒速15m以上の強風域の大きさによって行われています。
風の強さが秒速15m以上の半径が500km未満の場合は特に表現はありませんが、500km~800km未満は「大型」又は「大きい」と表現され、800km以上では「超大型」又は「非常に大きい」と表現されます。
また、強さは最大風速で分類が行われています。
中心付近の最大風速が秒速32.6m未満の場合は特に表現はありませんが、秒速43.7m以上54m未満のものを「非常に強い」、秒速54m以上のものを「猛烈な」という表現で表すことになっています。
では、この「大きさ」と「強さ」の観測はどのように行われているのでしょうか。
これは、気象衛星から得られる画像を利用して、過去の観測データの蓄積により熱帯低気圧や台風の位置、中心気圧、最大風速、大きさの数値を算出する「ドボラック法」と呼ばれる方法で行われています。
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