競技内容
競技は4種目設定されています。競技の結果は、チームの種目別の順位、総合順位、そして国別に集計され、成績が決まります。
点数は、全ての競技において持ち点(今回は200満点)からの減点方式。レスキューを目的として開発、運用されてきた航空機であるヘリ コプターに求められる操縦技量などを、競技としてオーサライズしたもの、と 考えれば理解しやすいかもしれません。
ただし、レスキューパイロットを本業とする者が有利とも言えないところが、この競技会の面白いところでしょう。
なぜならば本能的に一刻も早く到着することを常に念頭におかなければならないレスキューパイロットに対して、この競技は決められた速度でフライトするという、いわばレスキューパイロットにとって、日頃の彼らの訓練からみると、落とし穴とも言って良い部分もルール化されており(これは現在では多様化されているヘリコプターの運用状況からみて、かなりパイロットの毎日の業務が専門化されていることにもつながるわけですが)、どの分野のパイロットにも落とし穴があるといって良いでしょう。結果として、機体やパイロットの職種で有利にならないように競技がルール化されているのです。
ただ、ロシアだけは国情なども反映してこの大会を目的としてヘリコプター部隊の運用をしているようなので(取材したが絶対にそうだとは言わなかった)、勝つという観点から見ると有利とは言えるかも。
競技その1 ナビゲーション
出発5分前に、パイロットはフライトの目的地(6カ所)の緯度、経度を知らされ、決められた離陸地点を出発、目的地を正確に通過したり、 決められた物件を正確にスケジュール(時間や位置)どおり投下して 決められた着陸地点への進入角度、姿勢や(ランディングライトの点灯・ 地点まで決められている)着陸の正確さなどを競います。
今回の最高点は189.8点。最低点は0点。
競技その2 スラローム
120Mと200Mの決められた範囲の中の12地点に、1M間隔のポールが2本たてられ、離陸時点で渡される水の入ったバケツをナビゲーターが手に持って吊るしながら、ポールの間を通過させて行く競技。 時間、ポールへの接触、バケツの水の量、ゴール地点(1M四方の台にダーツの的のようなものが書かれている)でのバケツの置く位置、などによって競います。
今回の最高点196.2点。最低点0点。
競技その3 タイムアライバル
離陸6分前に4カ所のフライト目的地の緯度、経度を知らされ、正確に飛行し(勿論時間、高度、旋回半径などを正確に!)、最終目的の約50CM 四方の穴に正確にボーリングのピンのようなものを投下する競技。
今回の最高点は谷澤、坂本チーム199.9点。最低点は0点。
競技その4 プレシジョン(ホバリング)
機体のパイロットシートの下から2M、ナビゲーター席の真下から3Mのロープを吊るし、100M四方の決められた線上を全進、横進(左右)、後進し、途中2カ所で360度のホバーターンをして着陸地点へ正確に進入し、着陸地点(パイロットシートの真下あたりのスキッドに線がひかれ、着陸地点に引かれた1本の線の前後5CM以内に接地)の正確さを競う。
今回の最高点198.5点。最低点0点。
<< 目次 >>
1.世界ヘリコプター選手権について
2.今回の出場機とチーム内容
3.競技内容
4.99年度世界選手権成績
5.アルファチーム出場メンバー総括
6.ドキュメント「世界ヘリコプター選手権’99」