航空豆知識#186 「ヘリコプターの免許の仕組み」
アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。今回は当校のヘリコプター操縦教官がお届けします。
ヘリコプターのライセンスを取れば、すべてのヘリに乗れますか?
車だと、運転のみ目的の第一種運転免許で普通、中型、大型、大型特殊、牽引などがあります。
旅客輸送目的の第二種運転免許も同じように 普通、中型、大型、大型特殊、牽引などがありますね。
一種で普通免許を持ってる人は、その範囲内ならどのメーカの車でも乗ることが出来ます。
ヘリコプターの免許 (技能証明書と言います) の仕組みは?
まず技能証明の種類として操縦士には 自家用、事業用と定期操縦士の資格があります(ここでは准定期は省略)。 次に航空機の種類として飛行機、回転翼航空機、飛行船、滑空機があります。
ヘリコプターは回転翼航空機に入ります(イコールではないんです)。 その次の分類として、等級限定または型式限定があります。等級限定には陸上機と水上機があり、そこから更にエンジンの種類 (ピストンエンジンかタービンエンジンか)と、エンジンの数(単発か多発か)の限定に分かれます。そして、実地試験に使用し、合格した機体の限定と同じカテゴリーのヘリに乗れる ようになります。
例えば、自家用操縦士の回転翼航空機、陸上単発ピストンという限定のヘリで受験し合格すれば、それと同じカテゴリーのものに乗れるので、ロビンソンR22で合格すれば、同社R44、シュワイザー300CB、エンストローム280等にも乗れるようになります。
ロビンソンR44(単発ピストン)
しかし、逆に言うとそれ以外の限定のものには乗れないということになります。乗るためにはそのヘリの限定訓練と実地試験が必要です。 自家用で取得している限定は、事業用を取得するとそのまま持ち上がりになります。
ロビンソンR66(単発タービン)
前出の型式限定とは、大きなヘリになるとその型式(機種)ごとの限定免許があるというものです。また、同じ限定のヘリであっても乗ったことのないヘリに乗る場合は、所定の時間の実技と座学教育を受けたあと、一人でデビューできるようになります。