航空豆知識#183 「冬場の低温にも注意」| アルファーアビエィション

航空豆知識#183 「冬場の低温にも注意」

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。 今回はエアラインパイロットでもある当校の飛行機操縦教官がお届けします。

冬場の低温にも注意

冬のOperationについて、パイロットが注意すべき事項として
・雪氷滑走路における離着陸
・凍結気象状態での飛行

等が挙げられますが、その他にも注意しなくてはならない事項があります。
それは、低温に対する高度計補正についてです。

一般的に航空機に搭載されている高度計は気圧に対する補正がなされていますが 温度に対する補正はありません。

特に低温(標準大気に対しての低温)の場合においては、真高度が計器高度よりも低くなってしまいますので特に注意が必要です。

例えば、地上の気温が-40℃の時。計器高度が2000ftで飛行していても、実際の高度は約1520ftとなってしまいます。 もし、障害物の近くを飛行していたならば衝突の危険性があります。これは、IFRであってもVFRであっても言えることです。

特にVFRのパイロットは、チャートをみて障害物から500ftの間隔を保持して山や障害物の近くなどを飛行するような計画をする場合は注意が必要です。
もちろん、-40℃で飛行するような機会はあまりないかもしれませんが低温の際は危険があることを認識してフライトに臨むようにしてください。

また。IFRであっても低温時においては障害物間間隔が保証されているとは限りませんので、常に注意を払う際必要があります。
Low Temperature Operationと定義があるので一度目を通しておくと良いでしょう。

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