LTE ( Loss of Tail Rotor Effectiveness)| アルファーアビエィション

LTE ( Loss of Tail Rotor Effectiveness)

National Transportation Safety Board(国家運輸安全委員会)によって公開された、安全警報に関する映像です。
今回は、LTE ( Loss of Tail Rotor Effectiveness)
テールローターの効力が一時的に失われ、ヘリコプターがyawを起こし、車で言う「スピン現象」を起こし、機体が回転して制御不能になる恐れがあります。
この現象はシングルローターのヘリコプターは特に起こりやすく、低速飛行時や、風の強い時のホバリング時などには要注意です。

要約を掲載していますので、参考にしながらご覧下さい。
➡︎NTSB Safety Alert Video – LTE

この現象はシングルローターのヘリコプターは特に起こりやすく、低速飛行時や、風の強い時のホバリング時などには要注意です。

[事例]
Clinton Johnson氏は、4000ftの山岳に着陸しようと尾根線(ridge line)を飛行中にLTEが起こってしまいました。
当時の機体の積荷は、Maximum Gross Weightこそ超えてはいませんでしたが、ギリギリの範囲でした。フライト直前に積載量を変更するまでは、それもオーバーしていました。

アプローチの体制に入り、速度を落としてridge lineに入りました。着陸ポイントには、木や草も無く、実際の風向きをパイロットが把握できる状況ではありませんでした。
着陸地点に向けて方向を微調整するためペダル踏み込んだ時、突然この現象が起こりました。ペダルでの調節が不能になり、機体は瞬く間に回転を始めました。

幸いにも、その後すぐに山岳(丘)地点から抜け出し、高度を下げてなんとか体制を立て直す事が出来ました。

[対策]
・ビルの周りや尾根線に沿って飛ぶ時、8-12knotの風の中でホバリングする際など、特に周囲の状況や風向きに注意する。
・30knot以下のスピードで飛行する時は、追い風を避け、地上から受ける影響や、高出力需要の状況は避ける。
・パワーオンローターのrpmを維持する。
・緊急時にペダルが使えないと、予期せぬyawが起きた時に対応できなくなるので、反トルクペダルをどれだけ使用しているか常にモニターしておく。
・プリフライトアセスメントを必ず実施し、機体の許容荷造重量に対して常に余裕を出しておく。

アルファーアビエィションの操縦訓練でも、様々な状況に対応できるよう徹底した訓練を行っています。その成果が、創立以来31年間無事故記録更新に繋がっています。

ヘリコプターと飛行機のパイロットを目指す方、大空を楽しみたい方、お気軽にアルファーアビエィションまでお問い合わせください。

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