航空豆知識#198 「トランスポンダースコークの疑問」| アルファーアビエィション

航空豆知識#198 「トランスポンダースコークの疑問」

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。今回は当校の飛行機操縦教官がお届けします。

トランスポンダー「スコーク」の疑問

トランスポンダーの「スコーク」は、0~7の 4 桁の数字で表示する、いわゆる8進法ですが、日常的に使用される 10 進法ではなく、なぜ0~7だけを使用し「8」と「9」が ない「8進法」という珍しい方式をとっているのでしょうか。 これは、地上のレーダーと飛行中の航空機が出す電波がパルス波を使用していることにあります。 1 桁の数字を表すために、3 個のパルス波で構成するようになっています。これには、「2進法」を使うことにより表示できます。 すなわち、「0」は「000」、
「1」は「001」、
「2」は「010」、
「3」は「011」、
「4」は「100」、
「5」は「101」、
「6」は「110」、
「7」は「111」、となります。

このように「1~7」の数字は 3 桁の数字で表現できますが、「8」以上の数字は 4 桁以上になり、「8」は 2 進法では「1000」となりますので、さらにパルス波が多く必要 になることが分かります。このことから、トランスポンダーの「スコーク」は「0~7」の数字が使われています。 ちなみに、高度 10,000 フィート未満を有視界飛行方式で飛行する航空機の「スコーク」は「1200」ですが、読み方は 10 進法ではないので「せんにひゃく」ではなく、「スコークわんつーぜろぜろ」となります。

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