#6 「新しい免許:MPLとは?」(2009/03/21)| アルファーアビエィション

#6 「新しい免許:MPLとは?」(2009/03/21)

アルファーアビエィションが今回お届けする、ミニレポートは、「新しい免許:MPLとは?」です。

「新しい免許:MPLとは?」

MPLは、Multi-crew Pilot Licenseの略で、Multi-crew=2人以上の操縦士を必要とする航空機の副操縦士ライセンスのことです。事業用操縦士や定期運送操縦士と異なり、自家用操縦士の業務範囲を超えて機長として乗務することはできず、操縦に二人を要する飛行機の副操縦士に限定されているものですが、エアラインのパイロット不足の打開策として注目を集めています。

「海外でも導入が進められているMPL」

2006年11月シカゴ条約第1付属書(ICAO Annex 1)に、MPLの基準が設定され、諸外国でも導入が進められています。DenmarkのSterling Airlinesがエアラインとして2007年に初めて導入し、その後、欧州、豪州、中国などで試験運用や、法律の整備、実際の運用などが始まっています。

日本でも、エアライン各社で、 MPLの導入を検討したり、MPLと航空大学校の関わり方について、「航空大学校の業務の在り方等に関する検討会」で審議されていたりしています。遠くない将来、日本でも、MPLが実際に運用されることとなることでしょう。

「MPLには、どんなメリットがあるのか?」

MPLは、エアラインの副操縦士としての技能等を効率よく、安全に身につけることができるというメリットがあると言われています。従来の、事業用操縦士の要件は、多くの実機の機長時間が要求されていました。一方、MPLでは、基礎の段階から実機に代えてシミュレーターでの訓練時間を大幅に認めています。

これは、大型機の副操縦士に要求される技能などを身につけるのに、小型機の機長として実機で飛行するのが、はたして効率的で、安全であるのか?という疑問からきています。シミュレーターと実機の合計飛行時間は、 240h以上、実機の時間数は、40h以上とICAOでは設定されています。

パイロット不足の打開策としてできたこの制度、航空会社の乗員養成費用の大幅な削減や乗員養成期間の短縮が期待されています。

(おわり)

本レポートは、作成時点での意見・予測であり、予告なしに変更になることがあります。また、本レポートは、情報提供のみを目的としており、サービス等の販売を目的としたものでは、ありません。

前のレポート    次のレポート

関連記事