航空豆知識 春のフライトでの注意点 その1
アルファーアビエィションのベテラン飛行教官が航空豆知識をお届けします。
今回は「春のフライトでの注意点」です。
◆春のフライトでは、低気圧の動きに注意
早春は、低気圧の移動が早くなり、天気変化も早くなりますので、低気圧の動きに注意が必要です。
1日のうちでも風向風速の変化が大きくなりますので、離陸の際の風向風速もさることながら、飛行終了後の着陸の時の予測をしっかり立てることが重要になります。
◆移動性高気圧は進行方向に注意
中心が、日本の南方を通る時は晴天が長く続きますので比較的安心ですが、中心が北方を通過するいわゆる「北高型」になると、北東気流になって特に太平洋側では雲が出やすくなり小雨が降ったりするので、視程不良になることもあり、注意が必要です。
また、「北高型」では菜種梅雨となることもあり、天候不良が数日続くこともあります。
このような天気の時に、山越えを計画する場合、シ-リングが低くなりますので、特に注意する必要があります。
◆南岸低気圧の動きに注意
日本の南西海上で発生し、北東進する「南岸低気圧」は急速に発達し、風雨が強くなることがあります。
早春であっても南岸でも降雪になることがありますので、飛行中の着氷への注意はもちろん、野外駐機する場合の降雪対策が必要となります。
◆「二つ玉低気圧」に注意
日本海と日本の南岸を同時に本州を挟みながら東進してくる2つの低気圧、いわゆる「二つ玉低気圧」の通過では、全国的に大荒れの天気となりますので注意が必要です。
通過時には、積乱雲も発生し、乱気流や着氷が起こることもありますので、特に注意が必要です。
気候が暖かくなってくるので、絶好のフライト日和の季節ではありますが、数日後の天気の予測まで、しっかりと行いフライトに臨むことが安全運航につながります。