航空豆知識「航空ガソリン」後編| アルファーアビエィション

航空豆知識「航空ガソリン」後編

当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
「航空ガソリン」について、前後編に分けてお送りしますが今回は後編です。
少し難しい内容も含まれていますが、アルファーアビエィションの訓練生は座学で教官からしっかりと教わり理解しています。

「オクタン価」
ガソリンのアンチノック性は、それを構成する化合物の種類及び炭化水素の構造に関係します。
例えばイソオクタンは非常にアンチノック性に優れており、これに対し正ヘプタンは劣っています。また、これらの燃料に四エチル鉛を適量添加するとアンチノック性は著しく向上します。
オクタン価とは、ある一定のガソリン機関を一定の条件で運転した時に、同等のアンチノック性を示す、イソオクタンと正ヘプタンの混合液中のイソオクタンの量を容量%で表したものです。
例えば、イソオクタン80%、正ヘプタン20%の混合液のオクタン価は80であり、これと同等のアンチノック性を有するガソリンのオクタン価は80といえます。
従って、オクタン価の高いガソリンはアンチノック性に優れていると言えます。
オクタン価の表示は、その試験方法も併記することが通常です。
例えば、80/87というオクタン価の表示の仕方をしますが、前の80は希薄混合比を用いたモーター法等の値であり、後者の87は濃混合比を使った過給法によるオクタン価を示しています。
これは、エンジンの離陸出力及び巡航出力時における燃料空気混合比が異なり、それらの燃焼空気混合比の変化に対するオクタン価の変化が一定しておらず燃料によって異なるためです。

「パフォーマンスナンバー」
当初はアンチノック性の非常に高いとされていたイソオクタンのオクタン価を100としていましたが、これよりもアンチノック性に優れたガソリンが出現しました。
オクタン価100のイソオクタンと試料を同一条件でCFR機関で試験をした時、試料のノック限界出力がイソオクタンによる時の限界出力の何%にあたるかを示したものです。
例えば、イソオクタンに1.28ml/usgalの割合で四エチル鉛を添加するとアンチノック性は著しく向上し、過給法での試験では出力に対して約30%の増加を見ることができます。
これを130又はこれと同等のアンチノック性を有するガソリンのパフォーマンスナンバーを130と表記します。

アルファーアビエィション福島運航所では、ガソリンエンジンの航空機も運用していますが、入手が次第に困難な情勢となっており、JET-A1で運用可能な最新のディーゼルエンジンを搭載したダイヤモンドDA42 TwinStarを運航しています。

・青山運航部長がDA42をオーストリアから福島運航所までフェリーしました 航空豆知識「航空ガソリン」前編はこちら

関連記事