これからの時期に怖いキャブレターアイス| アルファーアビエィション

これからの時期に怖いキャブレターアイス

熱い夏が過ぎ、冬の乾燥した寒さが下妻ヘリポートにもやってきました。
アルファーアビエィション下妻運航所では、ピストンエンジンのR22を使用して訓練を行っています。
今後、さらに気温が低くなっていくなかで、特に注意が必要なのが「キャブレターアイス」、通称「キャブアイス」です。
今回は、このキャブアイスがどのように発生するのかご紹介します。

キャブアイスは、キャブレター(気化器)内で発生するアイシング現象です。 キャブレターは、燃料を気化させて空気と混ぜて混合気を作り、エンジンに送る役割を担っています。 この時、空気中に含まれる水蒸気が温度低下により氷となり、キャブレター内で凍結が発生します。

キャブアイスが発生する原因

キャブアイスは、主に以下の3つの原因によって引き起こされます。

インパクトアイス
大気中の過冷却水がキャブレターの表面に衝突することで氷となります。また、キャブレターの冷たい表面(0度以下)に水分が触れることによって形成されます。

スロットルアイス
キャブレター内でスロットルの開きが小さくなると、混合器の流速は速くなりますがその分圧力が低下します。圧力が低下したことにより温度が下がり、氷が発生します。

エバポレーションアイス
燃料が空気と混合する際、燃料が気化する過程で周囲の熱を奪います。この熱の奪われ方が温度低下を引き起こし、その結果、氷が生成されます。

冬場におけるキャブアイスのリスク

冬季になると、気温が低くなるためキャブアイスのリスクは一層高まります。 キャブアイスが発生すると、エンジンの性能が低下したり、最悪の場合エンジン停止に繋がる可能性があります。

キャブアイスの発生を防ぐため、航空機には対策が施されています。 次回は、キャブアイスを防ぐための具体的な防止策についてご紹介します。

関連記事