#14 「空にも道路がある?」(2009/08/20)
アルファーアビエィションが今回お届けする、ミニレポートは、「空にも道路がある?」です。
「空にも道路がある?」
航空機も、陸上で車が道路を走るように、空の道を走る必要があるのでしょうか。
答えは、YESでもあり、NOでもあります。
「空の飛び方」
航空機が空を飛ぶ方式には、2つの種類があります。有視界飛行方式と計器飛行方式です。
「管制承認を必要とする計器飛行方式」
計器飛行方式とは、読んで字のごとく、計器指示に従って飛行する方式です。この計器飛行方式では、管制官の承認が必要になります。出発の前には、フライトプラン(どの機体で、誰が何時から何時まで、どこの経路を、どの高度で飛行するなどの情報を含む飛行計画)を提出し、承認を受けます。上空を飛行している間においても常に高度や他機との水平間隔などの指示を管制機関から受けることになります。
ですので、計器飛行方式で飛行する際には、空の道路である「航空路」を主に飛行することになるのです。
「航空路の決められ方」
航空路はおもに航空のための無線施設を結んで設定されています。そのため、航空機は、出発地と到着地を直線で結んだ経路を飛行するのではなく、無線施設の上を、かくかくと曲がって飛行していくのです。
このような地上の施設を基準とした経路だと無駄が多いのではないかと思う方もいると思います。まさにその通りです。そのための解決策として、近年、RNAV (広域航法)というものが導入されています。RNAVとは、高機能な航法用の航空機に搭載されたコンピューターなどを搭載し、飛行することで、地上の無線施設の配置に左右されることなく柔軟な経路設定が可能な運航方式のことです。この運航方式により、効率的な運航が可能になってきました。
「パイロットの責任で飛ぶ有視界飛行方式」
有視界飛行方式とは、計器飛行方式以外の飛行方式とされています。具体的には、パイロットが目視によって、地上の建物や障害物、地表を確認したり、空中の他の航空機などとの間隔を保持しながら航空機を操縦する方法です。有視界という字のごとく、肉眼で飛行できる気象状態でのみ、この方式で飛ぶことができます。
空港近くの空域など定められた空域では、管制を受ける必要がありますが、有視界飛行方式では、飛行経路や高度、速度などに関して管制上の制約を受けないため、原則パイロットが自由に飛行することができます。
つまり、決められた経路を飛ぶ必要はないのです。
(おわり)
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