航空豆知識#212 ヘリコプターのローターの種類
アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評でためになる航空豆知識。今回は当校のヘリコプター操縦教官がお届けします。
【 ヘリコプターのローターの種類 】
アルファーアビエィションでは主に2枚ブレードのRobinson R22を使用して訓練を行っています。今回は、3種類あるメインローターの特徴についてご紹介します。
1.全関節型ローターシステム(3枚ブレード以上のヘリ)
フラッピング、フェザリング、ドラッキングの3 種類の動きができる構造になっています。
Ex) AW109,139 など
2.半関節型ローターシステム(2枚ブレードのヘリ)
フラッピング、フェザリングの2 種類の動きができる構造になってます。
Ex) Robinson R22,44,66 Bell206 など
3.無関節型ローターシステム(3枚ブレード以上のヘリ)
フェザリングヒンジの1種類の動きができる構造になってます。フラッピングとドラッキングはブレードのしなりで行っています。機能としては全関節と同じ役割をしています。
Ex) BK117 など
・ブレードの動きと目的
※揚力の不均衡…
ローターが反時計回りで回転しているヘリが前進飛行をするとローターの前進翼(右側)と後退翼(左側)で風の当たる量が違い、揚力が発生している量に差が出てしまうのを是正している役割です。
※コリオリ効果…
ブレードに当たる相対風が速いと、ブレードはフラップアップ(上)し回転軸に近づくことにより、ブレードが加速します。逆に相対風速度が遅いと、ブレードはフラップダウン(下)し回転軸から遠ざかることにより、ブレードが減速されます。イメージでいうと、スケート選手がしてスピンしている状態で腕を伸ばした状態から腕を組むとスピン速度が速くなるのと同じことがヘリでも起きます。