ロビンソンヘリコプター R66 研修日記
日本時間11月13日18時50分、シンガポール航空のA380で成田空港からロサンゼルス空港に向け出発しました。
今回の渡航の目的は、ロビンソンヘリコプターが新しく出したR66の慣熟訓練コースに参加するためです。
R66はロビンソン社初となる5人乗りのタービンヘリで、2010年にデビューしたものです。
日本にはまだ入ってきていませんが、アルファーアビエィションが日本国内第1号機をオーダー済みで、仕上がり具合をこの目でみてこようというのも目的のうちです。
どのような訓練になるのか?、タービンエンジンの使い勝手は?、R44との互換性は?、あれやこれや考えると興奮して寝られなくなります。
ところで、行きの便で話題さめやらぬエアバスA380に初めて乗りました。
解ってはいたものの、でかい。デカすぎます。これ飛ぶの?と普通に思ってしまいます。
いざ乗り込んでしまうとキャビンの横幅が広いくらいにしか感じませんが、座った席は1階部分。
総2階建てなので、2階にも同じものがあると思うと・・・、絶句です。
席は最後列で、時間を惜しんでR66の飛行規程を読み込んでいたのでそれほど気になりませんでしたが、気づくと後ろの方からモーターだか、トイレからだかなんだかいろんなものの音がうるさくて、最新鋭機にしては・・・?と感じました。
ロサンゼルスには13日の昼前に着きました。
天気はここの特徴でもある、抜けるような青空、気温は20℃で湿度もなく快適でした。
ロビンソン社はロサンゼルス国際空港から南に車で1時間ほどのトーレンスにあります。
今までに何度か来てるので、レンタカーですいすいときました。
しかしまだ時間も早く、今日はホテルのチェックインだけなのでこのまま通り過ぎて、さらに南へ1時間程のロングビーチの空港へ行くことにしました。
ロングビーチ空港は全米でも最初に作られた市営の空港だそうで歴史があり、ターミナルのデザインがとても気に入ってます。
市営でも侮る無かれ、国内線、ビジネスジェット、自家用機、訓練機ががんがん飛んでます。
アプローチする飛行機の本当にすぐ上をヘリが横切るように飛んでいたり、杓子定規な日本の管制だと考えられない飛行をしてます。
混むところはそれなりのさばき方があるんだなあと、管制官の臨機応変さに驚きます。ここに来たのは、久しぶりにアメリカのスクールの訓練事情を見ようと思って来たのですが、日曜の夕方でどこもほとんど飛んでませんでした。
みたところ、このところの景気低迷であまりにぎわってる感じはしませんでした。
前回来たときはリーマンショックの前でしたから・・・。と言うことで、トーレンスに戻ってホテルにチェックインしました。
翌日14日、あさ8時からR66訓練コースが始まりました。
ホテルはロビンソン社から2分くらいのところなので朝早くても余裕です。クラスルームでは多くの参加者がエントリーをしてました。
私も受付をしようと名前を探しましたが、ありません。受付の女性にそのことを告げると待つように告げられ、しばらく放っておかれました。そうこうするうちにグランドスクールが始まってしまいました。
それでも待ってろといわれ、心配してるとようやくチーフインストラクターが来て、直接R66のエプロンへと案内されました。そこで納得です。
私は、以前ロビンソンのセーフティコースに参加してるのと、R22、44とタービン機の経験があり教官であるので、一般の参加者が受ける座学を受ける必要がないとのことでした。
そのおかげで飛行前の点検からマンツーマンで教えてもらえました。
遠くから見るR66はR44と同じ大きさに見えましたが、近づくにつれ、一回りマッチョになってるのがはっきりわかります。
操縦席を見ると、ぱっと見た目にはR44の計器レイアウトと同じように配列され違和感がありません。操縦装置は全く44と同じです。両足の上にはオプション装備のナビゲーションがありました。
後部座席は中央座席がやや高くなっていて、ちゃんと3人が乗れそうです。
各座席下の荷物室は44と異なり、座席の衝撃吸収性を高めるための緩衝材がかなりのスペースを占めるようになりました。ここにはいるのはブリーフケースくらいでしょうか。
しかし胴体後部には大きなラゲッジスペースが! 1.2泊用の旅行鞄なら5人分入り、まだ余裕があるでしょう。
エンジンはロールスロイス製250C300タービンエンジンが、ヒューズ500のように斜めに取り付けられてます。
遠心式圧縮一段のシンプルな構造で300馬力、R66の5分間出力では270馬力を発生します。
エンジンスタートはとてもシンプルでした。いままでタービンエンジンに乗ったことがない人でもホットスタートのリスクを気にせずスタートできる仕組みになってます。
いったん離陸すると操作はR44と変わりません。パワー感は確実に44よりあり楽に飛行できます。
直線飛行、上昇降下、旋回、セットリング・リカバリー、オートローテーション(パワーリカバリー&フルタッチ)、ハイドロアウトなどを行いました。
飛行後には、当社でオーダーしてあるR66を見せてもらうことが出来ました。
R44と同様の取り扱いの簡単さ、性能の良さ、価格もタービンエンジンヘリの中では最安価となるR66のデビューによって、国内の特に自家用ヘリ市場の活性化が期待できそうです。
ところで、ロビンソン社があるトーレンス空港はZAMPERINI AIRFIELDといいます。
定期便は就航してませんがビジネスジェットや小型機がたくさん駐機してます。アメリカにはこんな空港が各市に一つはあります。