旭川までのロングクロスカントリーを体験して
始めに、このような貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
今回のフライトは学校の授業だけでは得ることのできない、新たなパイロットの醍醐味を味わうことができました。
管制圏のある飛行場での離着陸、山岳部や海上の飛行、またあれだけの長時間に亘る飛行、どれをとっても思い出深いもので、またそれぞれにとても強く感じるものがありました。
管制圏のある飛行場における離着陸については、とても良い勉強になりました。今回は仙台空港、青森空港へ給油のための離着陸をはじめ、福島空港、花巻空港、函館空港、札幌空港と、2つの情報圏、4つの管制圏を通過しました。
すべて初めていく空港ばかりで、離着陸の要領については授業で学んで分かっていたつもりでしたが、実際にやってみると管制官の指示が思ったより長かったり、各空港の通報点、タクシーウェイ、スポットの位置に戸惑ったりしました。目的地に近づくにつれ慣れてきました。自分としてはもっとうまくいくはずだったんですが・・・。ジャンボ機と同じエプロンにR22で入り、いつもは空港施設内から眺める景色を間近で見たときは感動で鳥肌が立ち、すぐ忘れてしまいました。何でも経験してみるものです。
山岳部の飛行では、まだ雪の残る東北の山々と雲との離隔をとるため上下左右へとヘリを操縦しているときに、「あぁ俺はこんな飛行がしたくてパイロットを目指したんだ・・・」と初めてパイロットになろうと思ったときの気持ちを思い出しました。
津軽海峡を渡っているときはえもいわれぬ不安に襲われたのを覚えています。事前に経験豊富な教官たちですらあまり長時間海の上は飛びたくないと言っていましたが、僕はどちらかといえば楽しみにしていました。しかし、その日は視程が悪く、対岸が見づらかったせいでの進路に対する不安、いざというときの着陸地のない不安、高度が分かりにくかったり、景色がまったく変わらないため襲ってくる眠気・・・海上に1隻のフェリーを見つけたときはホッとしたものです。
実質7時間半のフライトで、正直、途中で腰が痛くなったり、きついと思った時もありましたが、目的地が近づくにつれ少し寂しくなりもっと飛んでいたい気持ちで一杯でした。
目的地に無事到着したときは、達成感で本当に嬉しかったです。
最後に、みなさんももしこのようなフライトの機会があったなら、是非とも体験していただきたいと思います。
岩手山:南部富士です。 青森空港へのファイナルアプローチ中、
緊張します。
津軽海峡横断中。とても風が強く、まだ 大沼小沼、後方は駒ヶ岳です。
冬景色でした。まもなく北海道です。