飛行機サイテーションムスタングの長距離フェリーフライト
アルファーアビエィションの青山チーフパイロットに、飛行機サイテーションムスタングをアメリカから日本までフェリーしたフライトについてインタビューしました。
なかなか聞けない貴重な体験と感想をどうぞご覧ください。
Q1.最初にサイテーションムスタングの機体の特徴を教えてください。
「小型だけどやはりジェット機なので覚えるべきことは多くあります。
取り扱いは簡単ではありませんが、ムスタングで訓練すれば2パイロットでの飛行ができるようになります。
小型ジェット機でも簡単に国内を移動することができるので、この飛行機を所有する価値があると思います。」
Q2.サイテーションのシリーズの中ではムスタングは航続距離が短めですが、どのような点に注意しましたか。
「この機体は国内での移動を目的に設計したものだと思います。
特に向かい風が吹くと燃料が気になるので、FMS(出発から到着まで自動的に飛行管理を行う高度なシステム)を監視しながら、もしもの時には代替え飛行場に着陸できるように飛行のプランを立てました。」
Q3.アメリカのカリフォルニア州サクラメントを離陸してから、アルファーアビエィション福島運航所のエプロンまで、ルートと各レグの飛行時間を教えてください。
「サクラメントからアラスカ州キッチカンまで4.6時間、そこからアラスカ州アンカレッジまで3.6時間、次のアラスカ州ノームまで2.2時間、ロシアのペドロパブロフスクまで5.3時間、そこから旭川空港まで4.2時間で、旭川から福島空港まで1.8時間です。
合計で飛行していた時間は21.7時間でした。」
Q4.各空港に着陸してから通関まで、手続きに時間がかかったり煩わしいことはありませんでしたか。
「手続きはすべてハンドリング会社がやってくれましたが、親切な空港はアラスカ州のアンカレッジとキッチカンでした。」
Q5.逆にどの国のどの空港が手続きが面倒だったり不親切でしたか。
「ロシアはあまりよくなかったが手続き上仕方がないのかもしれません。写真は撮ることができませんでした。」
Q6.どこの空港が親切で便利でしたか。
「アラスカのアンカレッジは最高でした。普段からビジネスジェットを多く扱っているからではないかと思います。」
Q7.機体をフェリーし各国に着陸して燃料補給をする際に、何か大変なことはありましたか。
「初めての国に入国する時は、手続きが終わるまでトイレに行けないことが苦痛でした。」
Q8.今回の貴重な経験の中で、一番勉強になったことを教えてください。
「フェリーの手続きと飛び方が分かりました。一人でのフェリーは難しいと思いますが、二人で飛行すれば何とかなることも分かりました。」
Q9.国外でフェリーするときの注意事項と、準備に必要なものを教えてください。
「自分一人だけで準備すると大変なのでコーディネーターを頼んで協力してやればうまくできると思います。
今回のコーディネーターはロシアでの面倒な交渉も一晩中やってくれたりしました。」
Q10.社用ではない個人所有の小型ビジネスジェットが日本で普及しないのはなぜでしょうか。またどのようなことを改善すればもっと普及するでしょうか。
「値段が高いこともありますが、ビジネスジェットのことをまだ知らない方が多いからだと思います。
エアラインで移動するときの時間の無駄や手続きの不便さを考えれば、ビジネスジェットにメリットはあると思います。」
何カ国にも跨る長距離飛行を無事に実施した青山パイロット、本当にお疲れさまでした。
貴重な感想をいただきありがとうございました。