航空豆知識#175 「台風と飛行機」| アルファーアビエィション

航空豆知識#175 「台風と飛行機」

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。今回は飛行機操縦教官が台風と飛行機についてためになる情報をお届けします。

「台風と飛行機」
先日、日本付近を台風9号、10号が通過していきました。
被害にあわれた方々にはお見舞い申し上げますとともに一刻も早い復興を願います。

ところで、台風も容赦なく飛行場を直撃します。その時、飛行機はどうするのか?
基本的には飛行機も避難します。
例えば、エアラインでも東京から那覇へのフライトが予定されており、その後は那覇に夜間駐機して翌日のフライトに使われるような場合、翌日に台風が沖縄を通過すると予報されている場合は那覇に到着後そのまま折り返し便として乗客を乗せずに、台風の影響を受けないような飛行場へ避難しに飛んでいきます。
そして台風の影響がなくなり離着陸ができるような天候に回復し次第那覇へ向かって飛んでいきます。

何十トン、何百トンもあるジェット機が台風の風で飛ばされるようなことはありませんが、地上においてあるコンテナやいろいろな物が風で飛ばされて飛行機にあたって損傷を受けることを防ぐためということを考えているのではないでしょうか?

しかし、小型機は台風の風で飛ばされてしまう可能性が大いにあるので、事前に台風からの避難を計画しないとならないのです。
そして台風から離れた飛行場に駐機しても風が強い場合に備えてしっかりと飛行機を地上にしっかりとロープで固定したり、動翼(エルロンやエレベーター、ラダー)が動かないようにガストロックという器具を挟んだりと大変な作業が待っています。
そして台風が過ぎた後も、海に近い場所に駐機した場合、海水が巻き上げられていたりする可能性があるのでしっかりと水洗いする必要もあります。

しかし、台風が近づいてきても格納庫があれば安全、安心なのです。
ですから台風が近づいてくると格納庫の場所取りが激しくなります。
そして格納庫に入れなかった飛行機は泣く泣く遠くの飛行場まで避難しに飛んでいかなくてはなりません。

アルファーアビエィションの福島運航所や下妻運航所には自社の格納庫があり、常に飛行機やヘリコプターを格納しています。
台風が来ても全く問題なく安心なのです。

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