航空豆知識#173 「DA42の方向安定性」| アルファーアビエィション

航空豆知識#173 「DA42の方向安定性」

アルファーアビエィションの飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。今回は飛行機操縦教官がダイヤモンドエアクラフトについてためになる情報をお届けします。

「DA42の方向安定性」
ダイアモンド社製DA42 Twinstarは2004年にロールアウトした、最新の設計思想に基づいて設計された飛行機です。そのために空力的にもとても優れた機体となっています。
DA42の特徴の一つとして垂直尾翼につながる大きなドーサルフィン(Dorsal Fin)とその下にあるベントラルフィン(Ventral Fin)があります。
日本語ではこれらのFinを垂直整流版と呼んだりしているようですが、あえて分かりやすく言えば背びれと腹びれでしょうか。
この大きなフィンのおかげで方向安定性がとても良くなっています。

方向安定(directional stability)とは、
 機首の左右方向の動き,すなわちヨーイングに関する安定性のことを言います。
飛行機が横滑りを起こしたとき,機首方向を変化させ,気流の方向と機首方向を一致させる性質で風見安定(weather-cock stability)とも呼ばれています。
方向安定は一般に垂直尾翼の働きによって得られます。

最近の飛行機のエンジンはとても信頼性が高く、飛行中にエンジン故障することはほとんどありませんが、万が一の場合でもこの大きなフィンのおかげで安定した飛行ができます。
そして何より多発機の訓練としては、片方のエンジン不作動時を模擬した訓練が多いため訓練生もこのフィンのおかげで安定した操縦訓練が出来ます。

多発限定の訓練もアルファーアビエィションにてしっかりと整備された飛行機で、経験豊富な教官の指導の下で学びましょう。

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