航空豆知識「飛行機の重心位置計算」その4
当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
以前に「飛行機の重量計算」シリーズをお届けしましたが、ただ今「飛行機の重心位置計算」について飛行機の教官がためになる情報をシリーズでお届けしています。
飛行機の重心位置計算(その4) 基準線
今回は「基準線」について説明します。
飛行機に装備される物や搭載物の位置を表すために、便宜上機体の任意の場所に、ある基準となる線を設定して、この線からの距離でそれぞれの装備品や搭載する物の位置を示しますが、この基準となる線を「基準線」と言います。
これは、飛行機の縦軸を鉛直に横断する垂直面、すなわち、機体の適当な場所を真横に切断するような横断面となります。
「基準線」は、まず飛行機の製作者が定めて、設計明細書における装備品等の説明に用いますが、胴体の最先端や主翼の前縁等に設定している場合が多くあります。
このような航空機メーカーが設定した基準線とは別に、航空会社がその日常の運航のための「重量・重心位置計算表」を作成するに当たって、計算上の便宜のために会社独自の基準線を設定することもあります。
例えば、燃料タンクの重心位置に基準線を設定したり、平均翼弦の前縁からのある距離を基準線として設定して、「重量・重心位置計算表」の中
の一切の搭載物の位置は、この「新基準線」から測定して計算をする場合もあります。
次回は「重心位置の計算方法」について説明します。お楽しみに。
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