航空豆知識「飛行機と乱気流」
当校の飛行機とヘリの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
今回は「飛行機と乱気流」について飛行機の教官がためになる情報をお届けします。
「乱気流」
飛行機は空港から離陸し、上昇を続け、ある高度に達したらそこから巡航すなわち水平飛行に移ります。
飛行機が水平飛行をしているときは、「揚力」という飛行機を空中に浮かせる力と、飛行機の重量が釣り合った状態となっています。
この「揚力」は飛行機の翼が正面から受ける気流によって、そのほとんどが生み出されています。
飛行中には、「迎え角」と呼ばれる飛行機の飛行方向と翼の角度が大きくなると、揚力は大きくなり機体は上昇します。
逆にこの「迎え角」が小さくなると、揚力も小さくなり機体は下降します。
「乱気流」とは、空気中に「渦」が生じて動きが不規則になった気流であって、空気が激しく上昇したり下降したりしています。
例えば、高速で飛行している飛行機がこの下降気流の中に入ると翼の迎え角を小さくしたのと同じことになり、揚力は急に小さくなるために飛行機は急に降下しようとします。
飛行機が急降下すると、機内にいる人や物にはマイナスの重力、すなわち上向きの力がかかり、シートベルトをしていない人や固定されていない物は宙に浮き、激しい場合には天井にたたきつけられることも起こります。
逆に強い上昇気流の中に入ると、飛行機は急速に上昇します。
「乱気流」の中では空気の状態が不安定になっているため、上昇気流も下降気流もあり、飛行機は水平飛行をしようとしても、この気流の影響を受けて上昇・降下をし、大きく揺れることになります。
エアラインの大型旅客機などはレーダーを搭載しているので、ある程度は乱気流を避けて飛行することができますが、小型飛行機には搭載されていない場合が多く、空気の流れは目に見えないので、乱気流を避けての飛行が難しい時もあります。
しかし、雲の形や地形から判断する方法、または航空気象などの学習によって経験を積み重ねることにより、飛行中の正確な判断が可能になってきます。
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