航空豆知識「Vx、Vy」| アルファーアビエィション

航空豆知識「Vx、Vy」

毎回大好評の航空豆知識は、アルファーアビエィションの飛行教官、整備士がお届けしています。
今回は速度に関する知識「Vx、Vy」について飛行機の教官がためになる情報をお届けします。

「Vx、Vy」
アルファーアビエィションが飛行機訓練で使用するダイアモンドDA42を例にしてお話します。
Vx:最大上昇角速度、Vy:最良上昇率速度は、各航空機毎に定められており、短距離離陸等の障害物を回避して離陸する場合にはVxまで加速して上昇し、障害物回避後(通常200Ft程度)Vy上昇とする手順になっています。

さて、このVx、Vyは実際に飛行を行い、性能表を作成してその値を求めています。
まず、2000Ft、5000Ft、8000Ft等の基準の高度を定めます。
2000Ftの場合は、その手前の1000Ftから、速度を10Kt単位で定め、MCP(最大継続馬力)で3000Ftまで上昇します。この間、速度は一定、計測は1500Ft~2500Ftまでの上昇率を測定します。

このように、速度をさらに10Kt増加させ測定し、さらに基準高度を変更してデータを測定すると、速度に対する各基準高度の上昇率曲線を描くことができます。
この性能曲線のTOP(最大離陸馬力)の値がVyであり、0点からこの曲線の接線がVxとなります。
2つの速度は違いがありますが、準高度の上昇によりこの2つの値は徐々に近接し、最終的に上昇限度で交わることになります。

ちなみに、DA42のVyは82KTですが、Vxも同様の値になっています。理論値からは80Kt以下の速度になると予想されますが、この機体のVMC値(片方のエンジンが不良時の最大速度)は71Ktであることからあえて、表記しないことが推察されます。
アルファーアビエィション福島運航所では理論に基づく教育と、安心・安全を確保できる機体を提供して飛行機訓練を行っています。

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