コウノトリ但馬空港から下妻へリポートまでのロングナビを経験して 藤間| アルファーアビエィション

コウノトリ但馬空港から下妻へリポートまでのロングナビを経験して 藤間

但馬空港フェスティバルに出演したアルファーアビエィションのR22を、関東の下妻へリポートまでフェリーするロングナビを今回体験することが出来ました。

前日8月31日のフェスティバル2日目、13時半ころに但馬空港に到着しました。航空フェスティバルはあまり見たことがなかったので、とても新鮮でした。また、山の中の正直言って大きいとは言えない空港でしたが、そこに3万近くの人が来場してるという場内アナウンスを聞いてびっくりしました。

ついたのが遅かったので飛行機のアクロバットぐらいしか見られなく、アルファーアビエィションの演技はもう終わってしまっていたのでとても残念でした。飛行機のアクロは初めて見たのでこれはこれで相当びっくりしました。 さて当日、8時半の出発を予定していたので、6時に起きて余裕を持って近くのホテルを出ました。前日同様に天候が悪く、雲が低くもやもかかっていました。せっかくのまた久しぶりのフライトなのにキャンセルになったらどうしようかと考えながらスタンバイしてました。気象室でWXをチェックするとどうやら但馬空港の近辺のみが悪い感じです。ここさえ離陸できればと待つこと1時間、ようやく離陸できる状況になりました。

八尾空港に向けランウェイ19で離陸!しかしそれほど高くはないと言っても山岳地方を雲を避けながらの飛行には、ハラハラしました。神戸に近づくに連れ雲はなくなりこの天候の変化にびっくり、もやがかかってる前方右手先に明石大橋がかすかに見え、大阪湾に出てからは六甲山を左手、ポートアイランドを右手に見ながら大阪中心に向かい、八尾空港を目指しました。八尾空港は初めてでしたが意外と狭く感じました。空港のすぐ周辺を民家が埋め尽くしてるのでそう感じるのでしょう。タワーとの連絡もほぼ予習したとおりでした。10時半に到着です。

燃料を補給して、11時15分離陸。東に向け飛行していくと、奈良盆地にさしかかりました。歴史上の有名な建築物や各宗教の立派な建物に目を奪われます。そして天候の変わりやすい三重の山岳地方に入りましたが、ここは青山峠を抜けて津に出ました。ここから先、伊勢湾と渥美湾を横断し豊橋までしばらく洋上を飛行します。相変わらず視程は良くありません。こんな時の洋上飛行の注意点は姿勢を保つための工夫です。海上では飛行姿勢を判定する物標に乏しいので大きな船などを目印にします。左手に建設中の中部国際空港が見えました。事業用の訓練の時と同様に集中しました。

その後、浜松のTCAアドバイスを受け1500ftで順調に静岡を横断していき、静岡へリポートには13時10分に到着。静岡ヘリポートはもっと平坦なところにあると思っていたのですが、意外と山の谷間と言った所だったので慎重にアプローチして、ユーロコプター365とベル412が停留しているそばに着けました。ちょっといい気分です。ここで給油と、冗談で機内食にでもするかと言って買っておいた昼食を取り休憩しました。ここの天候は全く問題ないのですがしかし関東方面のWXをチェックするとどうも良くありません。早く出た方がいいと結局13時50分に静岡ヘリポートを離陸しました。

このコースのヤマ場は箱根越えです。富士山、箱根の方に進んでいくと、どうも雲で富士山が見えません。箱根の方にも雲がかかってます。さっきあれほどいい天気だったのにと思いながら、芦ノ湖ルートはやめて御殿場、小山の高速道路上空ルートを選びました。小雨も降ってくる状態で、すぐ麓を飛んでるのに富士山が見えないなんて非常にがっかりでした。

箱根が通過できれば一安心ですが秦野、厚木と関東平野に入ってくると予想通り、視程も悪く雲が低くなってます。1000~1500ftを保つのがやっとと言う感じでしたが、そこは以前アルファーで事業用操縦士の訓練した空域、勝手知ったる我が家という感じでVORを入れながら見張りを充分に行い下妻ヘリポートにたどり着きました。到着は15時30分、総飛行時間4時間35分のロングナビがこうして無事終わりました。

これほどの距離を一気に飛行したことは無かったので新鮮さと驚きに満ちあふれた飛行でした。目標を取って飛行することの大事さが本当の意味でわかったような気がして、改めて直線飛行の難しさを知ったり、高速道路がとても良いルートの目安になったり、とにかくこれほど天候が各地域によって違うんだと言うことを肌身で感じたことはものすごい収穫となりました。それと気付いたのが、関東で訓練していたのがとても役に立ったと言うことです。

山岳、平野、海、密集地、管制空域、全てが揃ってるところで訓練できたことの大切さが実際にロングナビを通してわかりました。初めて飛ぶところばかりでしたがそんな感じがしませんでした。以前教官が関東で飛べるようになれば日本のどこでも通用するといってたのを思い出し、それを本当に実感した貴重な体験でした。

このような貴重な体験を与えていただけたアルファーアビエィションに感謝します。

藤間 恵太

2003年 9月1日

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