航空豆知識「飛行機の重量計算」その1
当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。
今回から「飛行機の重量計算」について飛行機の教官がためになる情報をお届けしますが、内容が少し多いため分けて掲載します。
2回目は「自重」
3回目は「運航重量」、「有償荷重」、「ゼロ燃料重量」
4回目は「総重量」、「最大離陸重量」
5回目は「許容最大離陸重量(AGTOW)」と続きます。ぜひお楽しみください。
飛行機が空を飛ぶのは、翼の周囲を流れる空気の流体力学的に生じる「揚力」を利用して、空気中に浮き上がるからですが、飛行機の機体は主翼によって空中に持ち上げられます。
従って、主翼によって支えられるべき飛行機の重量は、その飛行機が安全に飛行できるかどうかについて重要な影響を及ぼすことになります。
そこで、飛行機の機長はその機体の総重量が、構造上又は性能上において安全に離陸し、飛行して、そして着陸することができる重量の範囲内であるかどうかを、飛行する前に確認しなければならないことが法律によって定められています。
飛行機が安全に飛行できる重量は、エンジンの出力や翼の強度はもちろんですが、空気の密度や温度、風向及び風速、滑走路の長さや勾配、あるいは標高など、いろいろな要素の影響を受けます。
従って、特定の飛行場における、特定の飛行について、その時の気象条件下での離陸重量や着陸重量、又は荷物室の搭載許容量などの必要なデータを、その都度算出して許容範囲内にあることを確認しなければなりません。(その2に続く)