「季節による気候の変化とフライトへの影響、フライトの方法」その3 風が吹くメリット・デメリット ー航空豆知識ー| アルファーアビエィション

「季節による気候の変化とフライトへの影響、フライトの方法」その3 風が吹くメリット・デメリット ー航空豆知識ー

当校の飛行機とヘリコプターの飛行教官、整備士がお届けする大好評の航空豆知識。今回は、「季節による気候の変化とフライトへの影響、フライトの方法」についてヘリコプターの教官がためになる情報をシリーズでお届けします。

季節による気候の変化とフライトへの影響、フライトの方法(その3) 風が吹くメリット・デメリット
冬季、風があるか・ないかで体感温度は違うので天気予報を見るときに気にされている方は多いと思いますが、操縦士にとっても風はフライトに影響を及ぼす大事なチェック項目のひとつです。

メリットとしては、5~10kt※程度の強弱のない安定した風が吹いていると、ホバリング訓練を始めたばかりの訓練生は、自分の技量が飛躍的に向上したような気分が味わえます。なぜならば風見効果といってヘリコプターは風が吹く方向に向いて安定するので、一般的に細かい動きが苦手な足で操縦するラダー(方向操縦)にあまり気を使うことなく、スティックとピッチ操作に集中できるからです。また、風があると揚力は増えます。

デメリットとしては、風の方向にヘリコプターが安定するため、風速にもよりますが、ホバリング旋回をしようとしてもなかなか旋回しない状況になります。また、風に強弱があると方向は安定するものの、揚力が変わるため上下に動いたり、風に応じて機体の前傾量を調整しているため前後に動くことがあります。

訓練が進んでいくと航法訓練を実施しますが、一般的に高度が高くなると風速は強くなり、地形の影響や風速の変化により気流も変わるので、気流が良く、正対風成分の少ない高度を選定して飛行します。
文章で書くと、なんだか難しそうに聞こえますが、理屈を理解して教官に指導を受けつつ操縦するとそれ程難しいものではありません。きっとあなたの知識欲・向上心を満たすでしょう。興味を持たれた方は御一緒に訓練しませんか?


次回は「冬の操縦訓練では、操縦士から地形が良く見えます」について説明します。お楽しみに。 飛行機免許、ヘリコプター免許にご興味のある方はアルファーアビエィションまでお気軽にお問い合わせください。

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